第9章 ハッピーウエディング、の巻
…翔くん
神様なんて居ないって
生きる意味なんか何も無いって
…そんな事を思ってた僕に
生きる意味と、信じる勇気をくれた貴方に
僕に出来る、精一杯の感謝と愛を贈るよ
貴方が居てくれたから、今、僕はこうしてココで
…生きてるんだ
ありがとう、翔くん
僕を見つけてくれて
僕を愛してくれて
貴方の愛があるから
僕は生きて行ける
どんなに辛い事があっても
どんなに悲しい事があっても
貴方が居れば、僕は何処までも強くなれる
男の人しか愛せない僕が
一生、享けることが出来ないと思っていた祝福を受けられるのも
全部…全部貴方のお陰だよ
…だから…
牧師様が僕と翔くんの手を重ね、その手の上にご自身の手を重ねる
「…この二人が夫婦であることを、此処に宣言します」
翔くん、僕これで、ホントに貴方と結ばれたんだね
翔くん、こんな僕らを、神様が祝福してくれてるよ
翔くん、だから…嬉しくて胸がいっぱいだから
貴方が緊張し過ぎて指輪を落っことしちゃっても、手が尋常じゃないくらい震えて、指輪をはめるのに半端なく時間が掛っちゃっても
全然気にならないよ?
大丈夫だから、そんな泣きそうな顔しないで?
「では、誓いのキスを」
牧師様の声を聞いて、緊張で強張る翔くんの喉が、ごくっと鳴った