第9章 ハッピーウエディング、の巻
正直言って、此処まで自分が駄目な男だとは思わなかった
誓いの言葉はまた声が裏返った上に噛みまくりだし
牧師様から受け取った指輪は落っことしちゃうし
おまけに手が面白いくらい震えまくって、差し出された智くんの綺麗な指にその指輪をはめる事が出来ない
お陰でそれだけの作業に数十分もの時間を費やしてしまった
情けなくて泣きそうになっていると、牧師様が言った
「では、誓いのキスを」
「……(ごくっ)」
此処が…
此処が一番の見せ場だぞ…
(頑張れ俺っ!!負けんな俺っ!!!レッツキッシングぅっ!!!!)←笑
…で、意気込んでみたものの
智くんの肩に伸ばした手は半端ない手汗でビショビショで、置いた傍からつるっと滑ってしまった
ついでに智くんのウエディングドレスの肩をつるっと肌けさせてしまって、智くんが色っぽい姿に。(汗)
「////だぁっ!!ごごごゴメン智くんっ(汗)」
「…もぉ〜///」
赤くなりながらコケタ肩を直すと、智くんが俺の首に手を回した
「本当に翔くんはダメなんだから…」
「うぅっ…ご、ゴメン智くんっ!!」
(駄目って言われちゃった…(泣))
項垂れる俺に、智くんが言う
「…仕方ないから、僕が一生面倒みてあげるね?」
「ひぇ?」
智くんはニッコリ笑うと、回した腕にぐっと力を入れて俺を抱き寄せた
「僕が、幸せにしてあげるから。」
「はぃっ!お願いしますっ!!///」
うふふって、何時もと同じ様に笑って
智くんが俺に、キスをしてくれた