第9章 ハッピーウエディング、の巻
(翔くん、大丈夫かな?)
牧師様の式辞の間中、僕は翔くんの事が心配で仕方無かった
だって翔くんったら
顔色は真っ青だし、ダラダラ汗は流れてるし、異常な位体中に力が入っていて、おまけに足がガクガク震えている
そりゃあもう、今にも倒れそうな様子だった
(倒れたら一人で支えられるかな?)
ソコまで腕力には自信が無いんだよなぁ
って思っていたら、牧師様が誓いの言葉を読み上げ始めた
「健やかなる時も、病める時も、この人を愛し敬い、慰め助け、命の限り堅く節操を守り、共に生きる事を誓いますか?」
「ふぁい!!ちちち、誓いますっ!!!」
「(あ、やっぱり裏返った(笑))はぃ、誓います」
案の定見事に声を裏返しながらも、大きな声で高らかに宣言をする翔くん
不器用だけど
ううん、不器用だからこそ、本当に心からの誓いなんだって思えて
きゅうって、胸が熱くなる
神様の前で、永遠の愛を誓う僕を
自分は確かに愛されてるんだって言う
眼が眩むくらいの幸せが、包んでいた