第9章 ハッピーウエディング、の巻
「………」
ちょっと待て
牧師さんだからオカシナ下心はあるまいって思ったけど、たしかこの方も、ソッチの気の方だったハズ…
「ぅおほん!ぼ、牧師様、その、手を…」
「はい?」
ニコニコ笑いながら、智くんのマキシマム綺麗な手を握りしめる牧師様
どうも、離す気がないらしい
俺はもう一回派手に咳払いをして言った
「ぅおっほんっ!
大変失礼とは思いますが…その、…その手は、僕のですから」
「え?…ああ、コレは失礼!大野さんが余りにお美しかったもので」
「…////」
牧師様は名残惜しそうに漸く智くんの手を離した
「…あの、僕らちょっと早く来すぎちゃったんですけど…控室にはまだ入れませんよね?」
智くんがちょっと首を傾げながら牧師様に訊いた
(あぁっ!智くん!!
そんな可愛く訊かないで!!案外そいつは危険ですっ!!!)
「どうぞどうぞ、今日は貴方がたしか式を挙げる予定はありませんから」
言いながらまた智くんの手を握る牧師(←“様”は?(笑))
「ささ、どうぞ」
「え?あ、はぃ…///」
仕舞いには智くんの腰に手を回して、抱きかかえる様にして歩き出した