第9章 ハッピーウエディング、の巻
少し早いとは思ったのだが
(お家で朝っぱらから愛を確かめ合った(笑))俺と智くんは
予定の時間より一時間くらい前に教会に着いた
でも
教会の方はまだ準備が出来ていなかった様で、どうも中に入れそうにない
「…ちょっと、早過ぎたかなぁ」
智くんが教会の中を覗きながら言った
「う〜ん、でもねぇ、家に居ても落ち着かないしさ」
「そうだね(笑)」
控室もまだ開いて無い様だったので、二人で教会の前をウロウロしてたら、声を掛けられた
「櫻井さんと…大野さん、ですか?」
「え?……あ、牧師様」
振り向くと、そこに牧師様が立っていた
実を言えば
俺は一度妹に連れられてこの教会に来て、牧師様と面識があったのだが、智くんは今日が会うのは初めてだった
牧師様は智くんの顔を見ると、眩しそうに眼を細めた
「コレはコレは…
櫻井さんと妹さんからお話しは伺っていましたが、正に神が造りたもうた芸術ですな」
「…え?///」
牧師様は智くんの手を取って両掌で挟むと、スリスリし出した
「イヤイヤ、なんと美しい
…このお手もまた、優美としか言いようがありませんなぁ」
「…は、はぁ///」