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Stay Gold〜翔と智のラブラブ新婚日記

第9章 ハッピーウエディング、の巻







「…お母さん、僕ね…結婚式挙げるんだ」



今日は、お母さんの月命日

平日だったから、翔くんは一緒に来れなかったけど

僕はどうしても今日お母さんに報告がしたくて、お墓に来ていた



「…僕さ、ウエディングドレス着るんだよ?…似合うかな?」



墓標を綺麗にしながら、話しかける

当然、返事なんかないけど

僕には其処でお母さんが、何時もの様に優しく笑いながら僕の話しを聞いてくれている様な気がしていた



「翔くんはねぇ、白いタキシードを着るんだぁ…

王子様みたいでね、すっごく格好良いんだよ///」



翔くんの白いタキシードを着た姿が脳裏に蘇って、顔が熱くなる



「ねぇ、お母さん…翔くんはさ、僕にはさ、勿体ない人だと思うでしょ?

……でもね」



すっかり綺麗になった墓標をそっと撫でる



「…翔くんね、僕じゃなきゃ駄目なんだって…

…僕で良いんじゃなくってね…


……僕が良いって、言ってくれるんだ」





『よかったわね』





耳の奥で、お母さんの声が聞こえる





「うん、良かった…

…僕、翔くんと出逢えて、一緒になれて…


…本当に、良かった」





『幸せに、なるのよ?』





「うん、なるよ…

…僕は、翔くんが居てくれたら、何時だって幸せだよ…

…翔くんは、何時だって僕に幸せをくれるんだよ」





『……おめでとう、智』





「ありがとう、お母さん…


……僕を、産んでくれて、ありがとう」





お母さんの柔らかな、優しい微笑みが、風にそよいで消えて行く


ほんのりと淡い疼きを残して、大好きな人の幻影が遠ざかって行く





お母さん





人を好きになるって


人を愛するって


とっても素敵な事だね





それだけで、僕は強くなれた


それだけで、僕は優しくなれた





世界中の人が皆愛に包まれていたら


きっと、この世に争い事なんて起きないんだろうね





ねぇ、そう思わない?


……お母さん








「…さてと、帰ってお夕飯の支度しなくっちゃ」



僕は翔くんの


「智くん、今日の夕飯なにっ?!」


って言う、何時もの元気な声を思い出しながら、家路を急いだ




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