第9章 ハッピーウエディング、の巻
俺は智くんに鼻を拭いて貰って、一息ついてから言った
「うん、折角だもん。
そのドレスもむちゃくちゃ似合ってて綺麗で素敵だけど、他のも着てみたくない?」
「…みたい///」
(あぁっ!!智くんったらその格好でそんな可愛くモジモジしないでっ!!
俺、萌え死んでまうっ!!!)
俺はまた智くんにガブリヨツしたくなるのを必死に堪えて、花嫁の手を引くと、ズラリと並んだドレスの前に誘った
「今度は、ちょっとオトナっぽいの着てみる?」
「オトナっぽいの?」
可愛く首を傾げる智くんの横から、お姉さんが声を掛けた
「それでしたら、此方など如何ですか?」
お姉さんはさっきとうって変って、スッとしたシンプルなドレスを出した
「マーメイドタイプなんですけど、後ろにワンポイントで大きなリボンが付いているんです。
奥様はスタイルがよろしくていらっしゃるから、きっとお似合いになると思いますよ?」
「お、奥様///」
智くんは“奥様”って呼ばれて、照れながら、嬉しそうに笑った
俺はお姉さんからドレスを受け取ってまた智くんに当てた
「よし、じゃあ今度はコレ着てみようよ、奥様!」
「もぉ〜、翔くんまで…からかわないでよぉ////」
「からかって無いよ、奥様っ!!」