第9章 ハッピーウエディング、の巻
智くんが試着室で着替えてる間、俺は自分の着るタキシードのカタログを見ていた
「結構色々あんだなぁ」
クラッシックな黒のタキシードから、なんだか馬鹿な王子様みたいなフリフリの付いたスーツまで、色々
「ま、主役は花嫁って言うからなぁ…
智くんのドレスが決まったら、それに合うヤツを選べば良いんだから」
「ご主人さま、お待たせしました」
「ん?」
ショップのお姉さんの声に振り向くと、試着室のカーテンに手を掛けたお姉さんがニコニコ笑いながら立っていた
「とっても素敵ですよ?」
お姉さんはそう言いながらカーテンを開けた
「……!!!!/////」
其処には、さっき俺が選んだ可愛いウエディングドレスを着た智くんが、恥ずかしそうに立っていた
それはまるで、本物のお姫様の様に可愛らしくて
そして、とてもとても…とっても綺麗だった
全体的にレースの刺繍が施されたドレスは、ウエストの辺りからふんわりと膨らんでいて
智くんの細いウエストをより細く見せていたし
レースに縁取られたハート型の襟元から、華奢な肩と綺麗な鎖骨が覗いていて、ちょっとセクシーだ
ふわっとした短い袖から、細く引き締まった二の腕が伸びていて
白い手袋に包まれた手には、可愛らしい小さなブーケが握られていた