第9章 ハッピーウエディング、の巻
「翔くん、愛してる」
「智くん…俺も、愛してるよ」
(うん、知ってる…知ってるよ…)
優しく僕を撫でる貴方の手を取って、頬に当てる
「…僕、凄く幸せ……こんなに幸せで良いのかなって思う位、幸せだよ」
「そんなの、俺もだよ」
僕が宛がった手でそっと僕の顔を撫でる貴方
(あぁ、やっぱり、幸せだなぁ…
…こんな幸せを、僕のお母さんとお父さんは、味わえなかったのかな)
そう思ったら、急に悲しくなってしまった
「…僕ばっかり幸せになって、良いのかな?」
「何言ってるの?」
「…だって、お母さんとお父さんは…」
「だから、誰よりも幸せになんなきゃいけないんでしょ?」
「…え?」
僕の唇に柔らかくキスをすると、翔くんはそのままオデコをこつんと僕のオデコにくっつけた
「智くんは、ご両親の分まで幸せになんなきゃいけないの!
……出来るか解んないけど、俺、精一杯智くんのコト幸せにするように頑張るから!」
「…翔くんこそ、何言ってるの?」
「ほえ?」
僕は情けない声を出す愛しい旦那様にぎゅうって抱きついた
「僕を幸せに出来るのは、翔くんしか居ないんだから」
「智くん////」