第9章 ハッピーウエディング、の巻
幸せってさ
本当の幸せってさ
些細な日常の中にあるんだよね
俺は、智くんのお父さんに改めてその事を教えられた
どれだけ社会的な地位や名誉を掴んでも
それだけで人は本当の意味では幸せにはなれないんだ
本当の幸せ
それは例えば、当たり前のコト
「翔くん、起きて〜。朝ごはんの支度出来てるよ?」
コーヒーの芳ばしい香りと共に聞こえる優しい君の声
「翔くん、ネクタイ曲がってるよ?」
何に気なしに俺の身支度を整える優しい君の手
「翔くん、行ってらっしゃい///」
毎日俺を送りだす時に優しく触れる君の唇
「行ってきま〜す!!」
「気を付けて、行ってらっしゃい♪」
そんな当たり前の君の優しさの中に、俺の極上の幸せがあるんだ