第8章 智くんのお父さん、の巻
お父さんに手紙と指輪を貰って、僕は本当に嬉しかった
だけど、同時に思ってしまったんだ
本当に大事だって想う人は、みんなあっという間に死んでしまう
僕の愛した人は……僕を、愛してくれた人は……
……みんな、先に死んでいってしまう
僕はそれが怖くて
「……」
翔くんと別れる事なんて、絶対に出来ない
だけど僕はもう、愛する人に先に逝かれるのはどうしても嫌だった
(…もう嫌だよ…もう、耐えられない…どうか、どうかお願いだから…)
僕は、拗ねてやるなんてカワイイ事を言う翔くんの胸に深く抱きついた
(一日でもいい…一時間だっていい)
「……翔くん、お願いがあるんだけど」
「ん?なに?」
(どうか、お願いだから…)
「……僕より先に、死なないでね?」
翔くんは一瞬驚いた顔をして、スグに泣きそうな顔になった
「な、何でそんなこと言うの!?」
「…だって」
「死ねる訳無いでしょが!!」
「…え?」
翔くんは息が出来ない位に強く僕を抱きしめた
「こんなに可愛い愛する智くんを措いて、死ねる訳ないでしょがぁーーっ!!////」
「…翔くん///」
「俺はしにましぇーーん!!!////」
「…////」
僕は、それこそもう一息で僕死んじゃうかも?って思う位翔くんに抱きしめられながら
言葉に出来ない程の幸せを感じていた