第8章 智くんのお父さん、の巻
(こらから、きっといい関係が作れた筈なのに…落ち込んで当然だよな)
俺はぼんやりしてる智くんの体を抱き寄せた
「こら〜しゃとち〜!
あんまり俺を放置してぼけっとしてると、俺、拗ねちゃうぞ〜!!」
「…あ、ゴメン……僕またぼーっとしてたね(苦笑)」
「拗ねるぞ〜!面倒くさいぞぉ〜!!」
俺は抱き寄せた智くんの体に頬ずりした
「もぅ///」
智くんはそんな俺の顔を捕まえると笑いながら言った
「いくら拗ねたって、面倒くさいなんて思わないもん!」
「思わないの?」
「うん。カワイイな、とは思うけど」
「智くん///」
照れる俺の胸にすっぽり体を埋めて、智くんがぼそっと言った
「…翔くん、お願いがあるんだけど」
「ん?なに?」
智くんは顔を上げると、潤んだ瞳を俺に向けた
「……僕より先に、死なないでね?」