第8章 智くんのお父さん、の巻
おばさんは暫く黙って智くんを見つめていた
それから背中を向けると、さっきとは打って変わった弱々しい声で言った
「…あの人が待ってるでしょうから、早く行きなさい」
「はい、失礼します…行こう?翔くん」
「え?あ、うん…」
俺は智くんに手を引かれて応接室を出た
「いや、何か凄い迫力のあるおばさんだったねぇ……智くん?」
応接室を出てちょっと歩くと、俯いて智くんが立ち止まった
「どうしたの?やっぱり怖かった?」
「……僕、酷いコト言っちゃった」
「…え?」
俯いた顔を覗き込むと、可愛いお目めを潤ませて今にも泣きそうな顔をしている
「あの人だって、きっとずっと辛い思いをして来た筈なのに…
…僕、酷いコト言っちゃった///」
「智くん…!!」
それ以上にくそ酷いコト言われたって言うのに、君って人は…
「もう、大好きだぁーーー!!!///」
「きゃっ!///」
俺は毎度お馴染の冷たぁ〜い視線を全身に浴びつつ、愛しい妻を抱き潰した
「しょおくん、くるち〜///」
「大っっっ好きだぁーーーー!!!」