第8章 智くんのお父さん、の巻
「智くん?」
「……うん」
同じ事しか言えない僕を、翔くんがそっと抱きしめた
翔くんに抱かれてると、僕はそれだけで安心出来る
翔くんの匂いに包まれて
翔くんの温もりに包まれて…
何も言わなくても、翔くんのあらゆる所から、僕を愛してくれてるんだって気持ちが溢れてる
その指先から
その息使いから
その鼓動から…
ねぇ、翔くんにも伝わってるかな?
僕の、貴方を想う気持ちが…
「智くん…俺達は、ずっと一緒だからね?」
「……うん」
また同じことを言う僕を片腕に抱いて立ち上がると、翔くんが言った
「これだけお互いに好き合ってたらさ、なんかせいので一緒にお迎えが来そうだよね(笑)」
「……うん///」
本当にそうなら良いのにな、なんて思いながら
僕は翔くんに肩を抱かれながら墓地を後にした