第8章 智くんのお父さん、の巻
「そっか…良いよ、解った…二人で考えよ?」
「……ごめんなさい」
「え?ごめんって、何が?」
智くんは迷子の子犬みたいな頼りない涙目を俺に向けて言った
「だって、僕……僕、我儘言って、ゴメンなさい」
「…我儘?…って、何が??」
「何がって…
…だって僕、自分一人で決められないからって、翔くんに頼ったりして…
…そんなの、我儘でしょ?///」
「……あのね」
俺は今にも泣き出しそうな可愛い奥さんを抱き寄せた
「ちっとも我儘なんかじゃないでしょ?
まあ、俺は智くんに何言われても我儘に聞こえないけどさ」
「…何を言っても?」
「うん、明日突然アフリカに旅行に行きたい!
とか言われても
おお!そうか!じゃあお休みの口実を急遽考えなくちゃ!!
…ぐらいにしか思わないし」
「やだな…僕そんなコト言わないよ」
智くんが目に涙をいっぱい溜めたまま、クスッと笑った