• テキストサイズ

Stay Gold〜翔と智のラブラブ新婚日記

第8章 智くんのお父さん、の巻







「ねぇ、翔くん…今度の土曜日ね、一緒に行って欲しい所があるの」

「ん?行って欲しいトコ?」



今日も智くんが心配で早めに帰宅したのだが、智くんは思ったより落ち着いていて一安心

…なんて思っていたら、俺の空になったグラスにビールを注ぎながら、智くんが俺の顔を伺う様に見て言った



「…うん…」

「いいよ?何処に行きたいの?」

「…お母さんのお墓」

「ああ、お墓参り?

そう言えばお彼岸は忙しくて行けなかったしね」

「…うん…それとね…」



智くんはビール瓶をテーブルに置いて、ふぅ、と一つ息を吐いた



「……アノ人の、トコ……」

「あの人って…智くんのお父さんのコト?」

「……」



智くんは黙って頷いた


智くんは、彼のお父さんを口に出して“お父さん”とは一度も呼ばなかった


どんなに良い人だと解っても、彼の母親との間にどうしようもない理由があったにしても

結果的に母親を捨てた父親を、心の何処かでまだ許せないでいたのかもしれない



「俺は全然構わないけど…いいの?」

「……一緒に、行って欲しいの…翔くんに、会って貰いたいんだ…あの人に……それで……」



智くんは俯いた視線を握りしめたビール瓶に落したまま、呟くように言った



「……一緒に、考えて欲しいの…

…どうしたら良いのか…あの人に直接会って、翔くんと、一緒に…

…どうしたら良いのか決めたいんだ……僕」



/ 1714ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp