第7章 思い出の別荘、の巻
智くんの顔が、またふにゃって泣きそうになって、俺は慌てて言った
「だから、もう泣かないで!俺、智くんに笑っていて欲しいんだ!」
「ぅう……だって……僕…僕ぅ…///」
「智くん、泣かないで」
「ふぇ……だって……僕、嬉しくて…///」
そっか、嬉しくても泣いちゃうんだっけ(笑)
「もう智くんたら泣き虫なんだから」
「ご…ゴメンなさい///」
「良いんだよ、謝んないで…そんなトコも大好きだから」
「…しょおくぅん……ぅ……ぅわぁーん///」
俺は、結局大泣きしてしまった可愛い泣き虫さんを優しく抱きしめた
「…良いんだよ、智くん…
少しづつ、本当の思い出になって行くから、焦る必要なんか無いんだよ
彼を思い出したら、俺に聞かせてくれれば良い
…君の、大切な思い出なんだから」
「うわぁ〜ん…しょおくぅ〜ん///」
「なぁに?」
「ふぇ〜ん…愛してるぅ〜///」
「うん、俺も愛してるよ、智」
「いやぁ〜ん///」
急に呼び捨てされた智くんが照れてイヤイヤって首を振った
「さぁ〜とし♡」
「いやん恥ずかしぃ〜///」
「何で?智」
「ぅにゅぅ〜…いじわるぅ〜///」
「だから、智くんにイジワルなんかしないってば!」
「うふぅ…“智くん”に戻ったぁ///」
「……あ」
ポロポロ涙を零しながら、智くんが可愛らしく笑った