第7章 思い出の別荘、の巻
(どうしても、彼を思い出してしまう罪悪感から抜け出せないんだね…智くん…
…きっと、おいてけぼりに遭って…余計に思い出しちゃったんだね…ぅう…俺のバカ)
俺の胸に顔を押し付けて体を震わせながら声を堪えて泣く智くんを抱きしめながら、俺は思った
…どうしたら、智くんの気持ちが楽になるだろうって
だって、きっと松本くんの思い出は、智くんの一部で…消えようがないモノなんだ
それを無理に忘れよう、思い出さずに居ようなんて…きっと、苦しいに違いない
俺の可愛い智くんが、そんな事で苦しむのは嫌だった
(何時でも笑顔で居て欲しいんだもん…そんなの、それこそ俺の我儘かもしんないけど)
智くんはもう一生分…いや、それ以上に辛い思いをしてきたんだ
これ以上、そんな思いをさせたくない
そう、コレは、夫である俺の義務だ!!
(忘れなくちゃって思うから辛いんだよな?…忘れなくても良いよって言っても、結局同じだったし)
ん〜…てことは…どうすりゃ良いんだ?