第7章 思い出の別荘、の巻
「…僕を…ココに独りにしないで…しょおくん…僕…ココに独りで居たくないよ…」
お願いだから、早く帰って来て
僕が悲しい思い出に呑み込まれる前に
お願い
……ハヤク……
僕はソファーの上に両脚を乗せて、膝を抱えた
(…何時も、こんな風に待ってた…もう、二度と来ないかもしれない恋人を…潤くんを………待ってた)
考えない様にしているってコトはつまり、もう既にその事で頭がいっぱいって事で…
僕の心は結局、あの虚しくて悲しい日々にまた囚われてしまった
愛する人を奪われ
自由を奪われ
笑う事を忘れた日々
貴方に出逢って、自分を取り戻す以前の
あの、日々に……