第7章 思い出の別荘、の巻
「……ん…ん?…翔くん?」
僕は目が覚めると、豪華な天蓋付きのベッドに横になっていた
「……そっか、僕、寝ちゃったのか」
きっと翔くんがベッドに運んでくれたんだろう
でも、その翔くんが見当たらない
「…リビングの方に居るのかな?」
僕は寝室を出て、階段を駆け降りた
「翔くん!……翔くん?」
あれ?…いない…
(ドコ行っちゃたのかな?ニノ達も居ないし…)
キョロキョロと部屋を見回すと、リビングの中央の大理石のテーブルの上に置かれたモノに気付いた
「…置手紙?」
僕はそれを手に取った
“三人で買い出しに行ってきます。智くんはゆっくり休んでてね?帰ったら、また美味しいご飯期待してるから...翔”
「…なんだ、置いてかれちゃったのか(苦笑)」
僕は手紙を持ったまま、ソファーに腰掛けた
「………なんか、イヤだな」
広い部屋に一人きりになると、寂しかったあの日々の事を思い出してしまう
「…置いて…行かないで欲しかったな…」
独りはイヤ…
もう、独りはイヤなの…
「…しょおくん…」
ちょっとお買い物に行くだけなのに
すぐ帰って来るのが解っているのに…
こんなコト思うのはおかしいって
…そんなの、解ってる
でも、今は不安でいっぱいで…寂しくて堪らない