第43章 我が家にヤツがやってきた!、の巻
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「…何だかんだで、あんたにも懐いてるみたいっすね」
ニノはそう言って俺の膝の上の空の頭を撫でると
俺には絶対に見せない様な優しい顔で空に微笑んだ
「お前は賢いな、空
ちゃんと誰がご主人様なのか解ってるんだよな?」
「きゅ〜ん♪」
「ふふふ(笑)」
「………」(←ニノのやつマジ犬好きなんだな、とか思っている)
「…ま、せっかくご主人様が誰かって解ってるのに、俺が居て混乱させたら可哀想っすからね」
「ん?」
「飯…大野さんの激美味い飯食ったら、とりあえず帰りますよ、今日のところは。」
「………お、おう。」
何となく色々とツッコミたくなる言い回しだったものの、一応ニノが帰ると言ったので安堵する俺
と
そこに早々と夕飯の支度を済ませた智くんが、お盆におかずを乗せてやって来た
「おっまたせ〜♪」
「お〜、いい匂いっすねぇ
今日の夕飯はなんすか?」
「ニノが来たからオムライスにしたの〜♪
ハンバーグ付きだよ〜♡」
「おお〜っ!マジっすかぁ♡」
「きゃんきゃん♪」
夕飯が大好物二品のラインナップと聞いて喜ぶニノの足元を擦り抜けて
嬉しそうに尻尾を振りながら智くんの足に頭をスリスリする空
それを見て、激可愛く笑いながら智くんが空に言った
「んふふ、空ちゃんは別なのね?(笑)」
「きゅ〜ん?」
「んふふふ///」
智くんは再び可愛くクスクス笑うと、おかずをテーブルの上に乗せてお盆を小脇に抱え
空を片腕に抱きかかえた
「ニノぉ、ご飯運ぶの手伝ってくれる?
僕、空のご飯準備しちゃうから」
「はいよ〜」
「翔くんは、座ってもうちょっと待っててね♡」
「うん」
俺は、素直に返事をしてテーブルの前に座りながら
やたらにご機嫌な愛妻の後ろ姿を見送った
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