第7章 思い出の別荘、の巻
智くんの口が、俺の腕から離れる瞬間
ぷちゅっ
…って、可愛い音がした
「こんな変な俺、嫌い?」
「……大好き」
大好きって言いながら、膨れる君に、優しく接吻ける
「…じゃあ、良いんじゃない?」
「…わかんない」
もう一度…今度は深く、絡みつく様なキスをする
「…昔、誰の腕に抱かれていたとしても、これから先はずっと俺だけのモノなんだもの…
…これ以上の贅沢は無いでしょ?」
「…うふふ、それって、贅沢なの?」
「贅沢でしょう!」
「ふふふふ…」
智くんが俺の胸に沈み込んで抱きつくと
ふぅ…って、溜め息をついた
「初めから、こうなるのが運命だったのかな」
「ん?」
智くんの腕が、きゅって、俺を強く抱きしめる
「…沢山寄り道して…沢山泣いて…
…全部、翔くんに逢う為の、準備だったのかも知れないね」
「…智くん…」