第42章 アブナイ同窓会、の巻
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同窓会で元カレを殺し損ねた翌日(←殺し損ねたて)
俺は
俺の所為で入院を余儀なくされたその元カレを見舞いに、ヤツが入院している病院へ来ていた
「…………」
(やっぱ緊張すんなぁ…)
一緒に行こうか何て言う雅紀に
自分のケツは自分独りで拭くなんて威勢の良いことを言って、1人で病院まで来たものの
元カレの病室が近くなるにつれて、足が段々足が重くなる
(…昨日の今日だしな…気まずいっちゃ気まずいし…)
何て思いながら、半分引き摺る様にして病室に足を運ぶ
と
ヤツの病室のすぐ手前まで行ったところで、その病室から何やら楽しげな声が聞こえて来た
「マジっすか?(笑)」
「まじだよ〜(笑)
だからさ、声も顔もはっきりしてんなぁと思ってさぁ
第一印象は“濃い!”って感じだったもん(笑)」
「あはは、マジですか(笑)
まあ解りますけど(笑)」
(……この声はまさか……)
声の主の内1人は元カレのものであるのは明白だけど、どうやらもう1人誰かがいるらしい
しかも
その声には聞き覚えがありまくった
(て言うか、俺があの人の声を聞き間違う訳がないんだから、絶対にあの人だよな…)
俺は、何故にあの人が朝早くからこんなところにと思いながら、病室のドアをノックした
「はい、どうぞ」
ヤツが、直ぐに返事をする
俺は小さく深呼吸してからドアを開けた
「………どうも。」
「あ、ニノが来た〜」
「…ニノが来たぁじゃないっすよ、何でアンタがココに居るんですか」
俺は、ヤツのベッド脇に置いた椅子にちょこんと座って俺に呑気に手を振る大野くんを見た
「何でって…普通にお見舞いに来たんだよ?」
「いや、そうでしょうけど」
「ニノだってお見舞いに来たんでしょ?」
「そりゃまあ…」
見舞いに来たんだろうって言われて俺がちょっと口ごもるのを見て、大野くんがにっこりと微笑む
「さてと、じゃあ僕はもう行くね」
そう言って立ち上がると
大野くんはニコニコ笑ったままで軽く僕の肩を叩いた
「ちゃんと、仲直り出来ると良いね」
「…大野くん…」
「じゃあね、佐藤くんお大事にね」
大野くんはヤツにそう言うと、さっさと病室を出て行ってしまった
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