第42章 アブナイ同窓会、の巻
タクシーから降りた櫻井くんが、おーのくんの肩を抱いて言う
「責めたりなんかしないよ(笑)
あ、運転手さん、ちょっとだけ待っててくれます?」
俺はタクシーの運ちゃんにそう声を掛けると、手早く店を片付けて帰り支度をした
それから、タクシーと一緒に俺を待っていてくれたおーのくんと櫻井くんにお礼を言ってタクシーに乗り込み
自宅マンションへ向かった
「…………」
「…………」
自宅マンションに向かうタクシーの中で
ニノは、ドアに張り付くようにして俺に背を向け、黙って俯いていた
俺も、特別ニノに話し掛けるコトはせずに、ただ黙ってニノの手を握っていた
ニノは、最初に手を握られた時に、ちょっとビクッとなったけど
やっぱり無言で
そしてソレを拒まなかった
それからほどなくしてマンションに到着して
俺は、ニノと手を繋いだままで支払いをしてタクシーから降りた
そこから部屋までの間も、俺とニノは無言だった
ただ
繋いだお互いの手を、しっかりと握り締めていた
「………ムチャ、しちゃダメでしょ?」
部屋について
玄関の中に入った俺は
靴も脱がずにニノの小さなカラダを抱き締めた
「…………ごめん///」
「俺に謝るコトは無いんだけどさ……最初おーのくんから話を聞いた時は、背筋がヒヤッとしたよ(苦笑)」
「………うん、ごめん///」
「だから、謝んないで良いけどさ……ただ、心配だったから……ニノが、無事で良かった」
俺はそう言ってニノの尖った小さな顎を指で掴まえると
ゆっくり優しいキスをへの字に結ばれたその唇に落とした
「……もう、俺の寿命を縮めるようなマネはしないでよ?(笑)」
「……うん////」
「ま、正直、斉藤くんには悪いけどめっちゃ嬉しかったんだけどね(笑)」
「え…?」
ニノが、めっちゃ嬉しかったなんて言って笑う俺を見て、眼を丸める
俺はもう一度ニノの可愛い唇にキスをして言った
「暴力はヨロシくないけどさ
ニノが、俺のことでそんなに腹を立ててくれてさ
そんな暴挙に出るほど愛されてんのか俺、とか思ったらめっちゃ嬉しかった(笑)」
.