第42章 アブナイ同窓会、の巻
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「………そっか、ワカッタ
今から、こっち来んのね?
うん……じゃあ、よろしくおーのくん」
俺はそう言って誰に見せる訳でもなく笑顔つくると、おーのくんからの電話を切った
(……ニノってば、案外短気でキレやすいからな(苦笑))
俺は、今さっきおーのくんから電話で聞かされた、ニノの斉藤くん殺人未遂事件(←だから佐藤だってば)の話を思い返して
笑顔のままため息をついた
ニノは
俺の家族の悲惨な死の話を、バカにした様に話されて、カッとなり
佐藤くんをソバにあったシャンパンボトルで殴ってしまったらしい
でも
結構お酒が入っていたらしいし、多分、本人も意識しないところで手加減したんだろう
佐藤くんの怪我は、派手に出血はしたものの、命に関わる様なものではなかったとのコトだった
で、その確認をして
今からニノを連れて帰るからと、おーのくんが電話をして来てくれたのだ
(…て言うか
気持ちは嬉しいけど、瓶で人殴っちゃだめだっての(苦笑))
俺は苦笑いしながら店の中を見回した
平日の夜の店内は、客が疎らで
カウンターに二人と、テーブル席に一組しか入って居なかった
「お客様、申し訳ございませんが、今日は早仕舞い致しますので…
…ラストオーダーを伺ってもよろしいでしょうか?」
俺がそう声を掛けると
カウンターに座っていた常連客の二人は、マスター今日忙しいんだ?なんて言いながらラストオーダーを断り飲んでいた酒を空けてすぐに帰り
テーブル席の客も、酒を一杯ずつ頼んで
それでも30分もしない内に帰って行った
(……そろそろ着くかな?)
俺はCloseの札を出しながら、店の前の道を覗き見た
と、目の前に一台のタクシーが停まる
「あ、相葉ちゃん店閉めたの?」
停まったタクシーから降りたおーのくんが、Closeの札を見て首を傾げた
「うん、その方が良いかと思って」
「じゃあ、僕と翔くんはここから歩いて帰るから、あーばちゃんこのタクシーでこのままニノと帰りなよ」
「……うん」
返事をしながらタクシーの中を覗き込むと、バツの悪そうな顔をして俯いているニノが座っていた
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