第42章 アブナイ同窓会、の巻
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「………………」
突然ヤツが大声を張り上げた所為で
会場の空気が凍り付く
「おや、あんま驚かないんだな?
知ってたのか?」
雅紀が、泣きながら語ってくれた辛い過去の話を、バカにしたように喚き立てた男が
俺の顔を見てヘラヘラ笑っている
「何だ何だ!?」
「二宮財閥がどうしたって?」
「今無理心中とか言わなかったか??」
ヤツの絶叫に、一瞬静まった会場が
俄かにざわめき出す
「どうせ寝物語に聞かされたんだろ?
俺ってこんなに可哀想な過去の持ち主なんですよー、なんてさ」
会場中の注目を浴びて
ヤツが益々得意げな顔をする
「ホント、まさかあんな最低なクズ男にニノのヴァージンを持ってかれるなんて思ってもみなかったよ」
ギリギリと張り詰めていたものが
頭の中で、ぷちっと切れた音がした
………そして
「Σニノだめッ!!///」
大野くんが叫び終わる前に
俺の握ったシャンパンのボトルがヤツの頭にヒットた
──バリーン
「Σわーっ!!
佐藤がニノに殴られたっ!!!」
「Σ血が出てるぞ頭割れたんじゃねぇのかっ!?」
「Σいいから救急車呼んで早くッ!!!////」
飛び交う怒号の中
大野くんが、頭から血を流しているヤツを抱えて叫ぶ
俺は
割れたシャンパンのボトルを大野くんに抱えられているヤツに向けながら言った
「……大野くん、どいて。」
「ニノッ!!///」
「……どいて、止めさすから。」
「何言ってるのダメだよっ!!///」
「……そいつだけは許せないんだ、殺すからどいて。」
「バカなコト言うなよそんな事したら相葉ちゃん悲しむよっ!!!////」
「……雅紀が、悲しむ…?」
俺は、ヤツに向けていたボトルを下げた
ソレを見た大野くんは、少し安堵したように小さくため息を付くと
さっきの一撃で気絶したヤツの傷口をハンカチで押さえながら言った
「そうだよ、ニノ
自分の所為でニノが殺人犯になったりなんかしたら、相葉ちゃん悲しむよ
それに
どんな理由があったって、無闇に人の命を奪う様な真似はしちゃダメなんだからね///」
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