第42章 アブナイ同窓会、の巻
美術の授業を受けて居なかった生徒の事が、全くと言っていいほど記憶にない僕は
佐藤くんがどんな生徒だったのかを全くもって知らなかったけれど
世間的には浮いている存在のお坊ちゃん達に囲まれて、普通を絵に描いた様な彼は、逆に浮いていたのに違いないと改めて思う
「………で?
同窓会がどうかしたのか?」
潤くんは席に着き、ぼんやりと考え事をしている僕の分までサッと注文を済ませると
テーブルに両肘を立てて頬杖をつきながら言った
「……うん……」
僕は、目の前に置かれた水を一口飲んでから
そのグラスに視線を落としたまま話し始めた
「……実はさ……昨日、相葉ちゃんのBARに行ったんだけどさ、翔くんとふたりで」
「うん」
「でね?そしたらね?……BARの入り口んとこでさ……ニノの、元彼に会ったの///」
「ああ、佐藤?」
「あ、やっぱり知ってるんだ?///」
ニノの元彼と聞いて、すぐに名前を言い当てる潤くんを、顔を上げて見ると
潤くんが、ちょっと眉をピクリとさせながら、さも当たり前だろって風に言った
「知ってるさ
あいつ生徒会の書記してたからな、俺の任期中ずっと」
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