第41章 にの、青春の青い思い出!?、の巻
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「二人とも、夕飯まだなんじゃないの?
て言うか、飲み物何時もので良い?」
そんなニノの様子を、何となく微妙な顔をして見ていた相葉くんが、俺と智くんの前にグラスを置いて言うのに
智くんが、小首を傾げながら答えた
「うん、食べてないの
飲み物は何時もので良いよ
ね、翔くん?」
「うん」
「フルーツ盛りだけじゃお腹空くでしょ?
シラスパスタ行く?」
「「行く〜♪」」
「おっけー、ちょっと待っててね(笑)」
それから
俺と智くんは、相葉くんのシラスパスタとニノの特製フルーツ盛りを食べて
あまり長居はせずに自宅に帰った
「……あのさ、智くん
さっきの佐藤くんだけど、ニノの元彼の…………どう思う?」
自宅に戻って、風呂に入った後
俺は布団の中に潜り込み、湯上がりでほかほかしている智くんの体を抱きしめて言った
「どうって………普通?」(←笑)
「いや、そう言うんじゃなくてさ(汗)」
「ん〜……あんなに普通だと、ニノたちの高校じゃ辛かったろうなぁって思ったけど」
「……え?」
智くんは、ちょっとニノの元彼に同情する様にそう言うと
小さなため息をついた
「……なんかさ、ちょっと似てる気がしたんだよね、彼……
……翔くんと、出逢う前の、僕に」
「何処が!?」
あんなぢみ男と俺の麗しの奥様の、一体何処が似ているんだと思って鼻息を荒げる俺
するとそれを見た智くんが、哀愁を漂わせながら笑った
「何となくだよ……ちょっとこう…卑屈になってるトコとかがさ…あの頃の僕に、似てるなぁ、って……」
「卑屈って…」
「……僕さ」
自分のコトを“卑屈”だったなんて言う智くんに戸惑う俺を見て
智くんは哀しげに微笑んだまま、静かに俺の胸に顔を埋め
そして、小さな声で呟く様に言った
「…あの、だだっ広い鳥籠で…潤くんに飼われてた頃……僕さ
…どうせ……僕なんか私生児で、元から要らない子だったんだし……囲われて、一生日陰者として生きて行くのが、お似合いなんだって…
…そんな風に思ってたから」
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