第41章 にの、青春の青い思い出!?、の巻
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(……卒業式かぁ)
スーパーで、大野くんにハーブを託した(笑)後
俺は、愛車に乗り込みながらさっきの話を思い出していた
(確かに、大変だったよなぁ…まさか、あんなに一度に沢山告られるなんて、流石の俺でも予想外だったしなぁ(苦笑))
自分で言うのも何だけど
ボンボンばかりが通う学校の中でも、俺は特別な存在だった
なんせ、学校内の生徒の大半が、うちの財閥系の会社の社長だとか専務だとかの息子だったから
言ったら俺は、奴らにとっては雲の上の存在だった
だから、在学中にしつこく付きまとわれたりとかって迷惑を被ることは無かったんだけど
学校を卒業してしまっては、本気で雲の上の人になって話しすら出来なくなってしまうであろう俺に
せめて、ずっと胸に秘めて暖めてきた想いを告げようって輩が、卒業式の日に大挙して俺に告って来たのだ
まあ
それだって言っても、告るだけで、だからどうしようって他意のない告白ばかりだったから別に良いっちゃ良いんだけど
…当時、こっそり付き合っていた彼氏的には面白くなかったらしい
誰も居ない校舎に連れ込まれて潤くんに悪さをされそうになっている大野くんを救出した後
俺は、そんな彼氏に呼び出されて、奴の安アパートに行った
実は
その当時付き合っていた彼氏は、各学年に1人だけしかいない奨学生で
抜群に頭は良かったものの、抜群に貧乏だった
だけど逆に
雲の上すぎた俺にへんな気を使うことが無かったらしく
一年生の終わり頃に、あっさりと俺に告って来た
俺は、ボンボンばかりが集うこの学校にあって、ある意味異彩を放っていたそいつに少なからず興味があったから
だから
そいつからの告白を受けて、絶対にみんなには内緒にすると言う約束の元で、奴と付き合うことにしたのだった
(……思えばあの時、言ったら俺、ヴァージン喪失の危機だったんだよなぁ(苦笑))
俺は、車を店に向かって走らせながら、その時のことを思い出した
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