第40章 家族の肖像、の巻
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「……智くん、ありがとう……愛してるよ」
貴方が
家族の肖像画を寝室の壁に立てかけて
優しく微笑み
僕を抱き締める
「……うん……僕も、あいしてる……
ずっと、ずっと……貴方を……貴方だけを……あいしてるよ///」
その絵に込められた、僕の切なく哀しい夢ごと抱き締めるように
貴方が僕を抱く
「うん、俺も……ずっとずっとずっと、君を愛してるよ、智くん」
甘い囁きと一緒に
僕に甘く口付けながら
貴方が僕をベッドに横たえる
「ずっとずっと……僕と二人……ずっと一緒にいてね?///」
優しく僕の上に覆い被さる貴方の頬に置いた僕の手を
貴方が柔らかく握って
そして、僕の全てを包み込む様に
甘く微笑み…貴方が囁く
「二人じゃないでしょ?
…三人だよ、智くん」
「……三人?///」
「うん、そうだよ」
甘い微笑みを浮かべたまま
貴方が握った僕の手を自分の胸に押し当てて
もう一方の手を、僕の胸に置く
そして貴方は
まるで僕の心を読んだ様に
欲しかった言葉をくれるんだ
「………ここに、もう1人……俺たちの大切な家族がいる………そうでしょ?智くん」
僕ら家族は二人じゃない
この胸の中にもう1人…
…生まれることこそ出来なかったけれど
もう1人、僕らの大切な家族が、心の中で生きているのだと
貴方が言う
「………うん、そうだね……そうだね、翔くん……三人だね///」
そんな優しい貴方の言葉に、溢れてしまった涙を
その口付けで拭い去って
そしてまた、貴方が愛を囁く
「………愛してるよ、智くん……君を、何時までも……
……君と、俺たちの心の中で生きてる大切な家族を……愛してる」
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