第39章 let's クリスマスパーティー!、の巻
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「ん?何だ智」
呼び止められた潤くんが、奥さんの手を握ったままで振り向く
僕は、その姿に自分の胸がざわめかない事に安堵しながら言った
「クリスマスの日さ、忙しい?」
「クリスマス?
いや、今年はがこんなだから予定は何も入れてないぜ?」
「こんなだから?」
潤くんの言葉に、奥さんが俄かに顔を曇らせる
それに気付いた潤くんは、ちょっと笑いながら奥さんに言い訳をした
「ごめんごめん、悪い意味じゃないよ
お前が大事な時だからって意味だよ(笑)」
潤くんの言い訳を聞いて、奥さんがちょっと悪い顔をして笑う
「申し訳ありませんでしたわね、クリスマスの予定を悉くキャンセルさせてしまって」
それを聞くと、潤くんが負けじと悪い顔をして笑って反論した
「いや、逆に断る口実が出来て助かったよ
会社関係のパーティーなんてただ疲れるだけだからな(笑)」
「まあ、貴方ったら…」
「はははは、ところで、クリスマスがどうかしたのか?」
「うん…」
潤くんと奥さんの会話を聞いて、自分の思い付きを引っ込めようかと口ごもる僕の肩をギュッと抱きしめて
それまで黙って話しを聞いていた翔くんが口を開いた
「俺の実家でクリスマスパーティーやるんだよ」
僕が何を言おうとしていたのか解っていたらしい翔くんが、僕の代わりにそう言うと
潤くんは、ちょっと難しい顔をして首を傾げた
「櫻井くんの実家のクリスマスパーティー?」
「ああ、パーティーっつったって、極々庶民的なホームパーティーだけどさ
奥さん妊娠中なら無理かも知れないけど、もし良かったら松本くんたちも来ないかと思って」
「俺たちも、って…もか?」
翔くんの話しを聞いて、潤くんが益々難しい顔をして奥さんを見る
すると、奥さんは柔らかく微笑みながら潤くんを上目遣いに見上げて言った
「良いじゃない貴方、わたくしは“こんな”だから遠慮致しますけれど
せっかくですから貴方お一人でいってらっしゃったら?」
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