第38章 忘却の彼方に…、の巻
「うん、良いよ」
俺は、当たり前でしょってテンションでその声に答えた
「さっむぅ〜い///
あ、翔くんまだ湯船入ってたの?」
裸の腕を抱えてスリスリしながら、智くんが浴室に入って来る
俺は、寒そうにしている智くんに向かって腕を伸ばした
眼で「おいで」と言うと、にっこり笑って智くんが小さく頷く
それから智くんは、軽くシャワーを浴びると俺の入っている浴槽に片足を突っ込んだ
「あ、お湯溢れそう///」
「良いよ、ちょっとくらい溢れたってさ
おいで?」
「ん〜……翔くん、まだ出ないの?///」
「一緒に浸かるのイヤ?」
「イヤじゃないよ?でも狭いから///」
「良いじゃん狭くても
ぴったりくっ付けるから、逆に良くね?(笑)」
「あんっ////」
俺がそう言いながら、片足だけ湯船に浸かっている智くんを、浴槽の中に引き込んで自分の膝の上に抱えると
浴槽のお湯が、ざぱんと派手な音を立てながら零れて
智くんは俺に抱えられながら、あ〜あって顔してその零れたお湯を見ていた
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