第38章 忘却の彼方に…、の巻
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「シャンパンは注文してないよ?///」
「俺らからのお祝いだよ(笑)」
翔くんのグラスに注がれたシャンパンを見て首を傾げる僕を見て、ニコニコ笑いながら
相葉ちゃんがそう言って僕のグラスにもシャンパンを注いでくれた
それから、僕のグラスにシャンパンが注がれるのを見届けた翔くんが
自分のグラスを持ち上げて僕に向けた
「智くん、改めて画家業再開おめでとう♡」
「ふふ、ありがとぉ翔くん♡」
翔くんが掲げたグラスに、自分のグラスを軽く当てると、軽やかな音色が響いた
と
翔くんが乾杯したシャンパンを飲もうとした瞬間
ニノの白い手がにゅっと伸びてきて、翔くんの手に握られたグラスを奪った
「おめでとー、大野くん♡」(←撫でぃのシャンパンをグビッと行くわんこ)
「Σあーッ!!!それ俺のぉッ!!!!(怒)」(←怒って立ち上がる撫でぃ)
「るせー!!勝手に乾杯しやがるバカに飲ませる酒はねぇっ!!!(怒)」(←撫でぃに向かって思い切りアカンベーするわんこ)
「おーのくん、おめでとー♪」(←わいわいやってる二人を気にせずさとちと乾杯する天然バーテンダー)
「ありがとぉ、あーばちゃん♡」(←旦那が親友とわちゃわちゃ揉めてるのに笑顔で乾杯を受ける天然画伯)
「俺のグラス返せッ!!」(←わんこからグラスを奪い返そうとしている)
「あんたはコレでも飲んでなさい!!」(←カサブランカ入りの花瓶を撫でぃに押し付けた)
「飲めるかッ!!!(怒)(怒)」(←ですよねー。(笑))
「あはははは///」(←奥さん笑ってないで助けてあげて。)
「はははは、ほら、もう一回乾杯し直そう?(笑)」(←新しいグラスにシャンパンを注ぐあーばちゃん)
さすがに他のお客さんの迷惑になると思ったのか、相葉ちゃんが翔くんに新しいグラス(シャンパン入り(笑))を手渡して
僕らはもう一度仕切り直して乾杯をした
「では、大野画伯の前途を祝って」
「「「乾杯っ!!」」」
「ありがとぉ////」
(ん〜…やっぱり僕って超幸せ者だなぁ////)
大好きな旦那と友達にお祝いしてもらって、シャンパンを飲みながら
僕は何とも言えない幸せに浸っていた
その僕の鼻を
不意に、カサブランカの芳しい香りが掠めた
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