第38章 忘却の彼方に…、の巻
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「わあ!カサブランカだ♡」
翔くんの手に握られ顔をのぞかせたカサブランカの花を見て、僕がそう言うと
翔くんは、ポリポリと頭を掻きながら僕の方へ歩いてきて、花束を差し出した
「…絵をね、描くのを再開した記念のお祝いに買って来たんだ///」
「ありがとお////」
「何でそんな香りの強い花なんか買って来るんすか
店んなかに匂いが充満しちゃうでしょうが」
喜んで花束を受け取る僕を見てつまらなそうな顔をしながらニノが言うと
翔くんは「うるせえ」って言いながら相葉ちゃんからおしぼりを受け取り(←あーばちゃんはちゃんと手渡ししてくれます(笑))
僕の隣に座った
「ごめんねニノ、翔くんは僕がこの花が好きだから買って来てくれたんだよ
だから、僕の所為なんだから、翔くんを怒らないで?」
「別に怒ってはないですよ
ただ、飲み食いする場所にこんな香りの強い花を持ち込むなんて非常識な撫で肩だと思っただけです」
「悪かったな非常識で(怒)」
「悪かったと思うならそのままお帰り頂いても結構ですが?」
「んもう、ニノったら///」
意地悪を言うニノをちょびっと睨んで、僕が貰った花束をカウンターの端っこに置こうとしたら
ニノがスッと手を差し出して花束を掴んだ
「せっかく貰った花束をんな端っこに置かないの」
ニノはそう言って手に取った花束を手早く水を入れた花瓶に挿して、僕の目の前のカウンターの上に置いた
「…非常識だって言ったくせに」
カウンターの上に置かれた花束を見ながら、翔くんが恨めしそうに言う
ニノはそれを聞くと、にやっと笑って翔くんの前にグラスを置いた
「それはそれ、これはこれ、です。」
「どれがそれで何がこれだよ(怒)」
「もー、二人共お////」
「とりあえず、乾杯しない?(笑)」
それまで、黙ってニコニコ笑いながら僕ら三人の様子を見ていた相葉ちゃんが
そう言って翔くんのグラスにシャンパンを注いだ
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