第7章 思い出の別荘、の巻
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「いやぁ、でも、本当に豪華な別荘だねぇ!ニノって、本当におぼっちゃまだったんだね!」
ソファーに座りながら、大袈裟に言ってみる
「うふふ」
あ、笑った…何時もの智くんだ
良かった
「…翔くん」
智くんが何時もの様に、俺の腕に抱きついて俺を呼んだ
「ん?なに、智くん」
「何でもナイ…名前、呼びたかっただけ」
「……」
う〜ん、でもやっぱり、おかしいような…
「ねぇ、智くん…何かさ、俺に言いたい事あるんじゃない?」
「……え」
智くんが不安げに顔を上げた
「何で……そんなコト言うの?」
「へ?いや、何でって…だた、そうなんじゃないのかなって…思って」
「……」
智くんは悲しそうな顔を、俺の胸に押し当てて隠した
「……何にも、訊かないで」
「………」
アナタそれじゃ、何かあるって言ってる様なもんだよ!?
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