第38章 忘却の彼方に…、の巻
ついまた笑ってしまった僕を見て、櫻井さんが嬉しそうに笑いながら飛び起きる
「良かった!智くんが笑ってるっ!!///」
「正確には、“笑ってる”じゃなくて“笑われてる”ですけどね」(←笑)
「んなのどっちだって良いよっ!!
俺は智くんが笑顔でいてくれさえすればそれで良いんだから!!///」
──とくん。
(……あ、また///)
嬉しそうに、僕が笑ってさえいればそれで良いと言う櫻井さんを見て
また胸を暖かいものが満たして行く
だけど僕は
その暖かさの正体を突き詰めて考えることを、躊躇していた
だって…
…ぽっかり空いた心が
それをまだ、拒んでいたから…
(………ごめんなさぃ///)
僕は、嬉しそうに笑って「良かった」と繰り返している櫻井さんに、心の中で謝った
…出来るコトなら、思い出してあげたい
思い出すコトを拒絶する一方で、微かにそんな思いが胸の奥に宿っているのを感じながら…
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