第7章 思い出の別荘、の巻
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「こら、撫で肩!無駄口叩いてないで、さっさと部屋に荷物運びなさいよ!」
「ふぇ〜い」
ボストンバッグを抱えて、二階の寝室に向かう翔くんを横眼で見た後、ニノが僕のトコに来て言った
「…大丈夫?」
「ん?何が?」
「何がって…」
ニノは、ふぅ、と溜め息をついた
「雅紀は知らないんだよ…大野くんが、潤くんとよくココに来てた事」
「うん、だと思った」
ニノと相葉ちゃんと一緒に旅行に来れたのは、凄く嬉しいんだけど
正直に言えば、ココには来たくなかった
そこら中に、潤くんと過ごした日々の思い出が転がってる
僕が、潤くんに夢中だった頃の、思い出が
「ねぇ、近くに知り合いの別荘があるから、そっちに行こうか?」
「いいよ…大丈夫だから」
だって、翔くんあんなに楽しそうなのに
それに、今更場所を変えるのって、何か変だもんね
「…昔の、コトだから」
「……」
そう…もう、過去のコトだもの
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