第7章 思い出の別荘、の巻
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洋風の、まるでお城みたいな、ニノの別荘は
高級別荘地の高台にあった
結構山の上の方なので、頬を掠める風がひんやりと冷たい
「すげー…流石、おぼっちゃま」
翔くんがニノの別荘を見上げて、溜め息まじりに言った
「おぼっちゃま言うなよ(怒)」
「じゃ、わかさま、とか?」
「お前は黙っとけ、相バカ(怒)」
「うふふ、早く中に入ろ?」
ニノは“おぼっちゃま”とか言われるのが嫌い
凄く育ちが良いのに、それが何でか嫌みたいで
僕が思うには、わざと口の悪いフリしてるんじゃないのかな?
…でも、本当に育ちがイイから、時々敬語で話しちゃうの(笑)
僕らは荷物を車から降ろして中へ入った
「おぉー!お城だ、マジお城だ!螺旋階段があるよ?シャンデリアがあるよ!?」
「いちいちウルサイな(怒)」
「わかさま、おこんないで?」
「誰が若様だっ(怒)」
翔くんはちょっと興奮気味で別荘の中をあちこち見て回っている
「おぉ!リアル暖炉!!これ使える?使えるの!?」
「使えるよ。冬場は、これで暖をとるの。結構暖かいんだよ?」
「え?…智くんって、ココ初めてじゃないの?」
「…うん」
初めてじゃないよ
何度も来てるの
「そうなんだ、あ、ニノとは古い友達だもんね!」
「…うん」
でもね、ニノと来た事ないんだ
何時も潤くんと二人だったから
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