第37章 嵐の到来、の巻
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「うん、本当に…本当に、僕…これで、ままになるんだよね?///」
「そうだね…智まま?」
「んふふ…なぁに、翔ぱぱ///」
「えへへ、呼んだだけだよ、まま♡」
「んふふふ、ぱぱったらぁ♡」
「えっへへへ…愛してるよぅ、まま♡」
「僕もぉ、愛してるよぅ、ぱぱ♡」
「ままぁ〜♡」
「ぱぱぁ〜♡」
赤ちゃんが無事育っている事が確認出来て、すっかり浮かれていた僕らが、二人してイチャイチャ“まま”“ぱぱ”なんて呼び合っていたら
別荘の電話が鳴りだした
戸田さんが「機械に影響を及ぼすといけないから」と言って僕のベッドの近くでは携帯電話の電源を切るように言われていたので
外からの連絡は別荘にある家電に入る事になって居たのだ
電話には戸田さんが出てくれた様で、しばらくしてから戸田さんがちょっと焦った様に部屋にやって来た
「櫻井さん大変です!会社からお電話で大至急会社へ戻る様にと連絡がありました」
「Σんえっ!?……Σどぅわっ!!!」(←ビックリしてベッドから落ちた)
「Σ翔くん大丈夫!?///」
「二宮さんにすぐに来て頂けるように私からお電話を致しますから、櫻井さんは急いで会社へお戻り下さい」
「わわわ解りました!!
智くんごめんね!俺ちょっと一回戻るねっ!!///」
「うん解った
気をつけてね?///」
「うん!!
智くん……ありがとうね///」
「え?……ん////」
焦る余りにベッドから落下してしまった翔くんは、脚をもたつかせながらも立ち上がると
ふと笑顔になり、僕に“ありがとう”と言って
優しく、キスをしてくれた
それから、とろけそうな程甘く微笑むと
もう一度、甘い口付けを僕の唇に落として囁いた
「超絶最高に素敵な奇跡を、ありがとう智くん
……愛してるよ」
「…翔くん/////」
「じゃあね、すぐ、戻るから」
「…ぅん/////」
僕は
甘く優しく微笑みながら僕に手を振って、戸田さんに僕の事を宜しく頼んで屋敷を出て行く翔くんの後ろ姿を
えもいわれぬ幸せを感じながら、翔くんと同じように手を振って見送った
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…それが
狂信者によって仕組まれた罠だとは
これっぽっちも気付かずに…
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