第37章 嵐の到来、の巻
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「おめでとう御座います、大野さん櫻井さん
無事、心音が確認出来ましたよ」
「「えっ!!///」」
「ご覧になれますかな?ここ…この胚の中央が規則的に動いているでしょう
これが、出来たてほやほやのお二人のお子さんの心臓ですよ」
「!!!………ほ、ほんとだ…/////」
先生が指し示した画像を翔くんと一緒に覗き込むと
最初に見た時より大きくなった胚のうの中央が、可愛くぴょこぴょこ動いているのが見えた
それは、まだただの丸い物体で、決して人間には見えなかったけれど
確かに其処で生きているんだって言うのが、僕にも解った
「……すごい……すごいよ、翔くん……赤ちゃん、ちゃんと生きてる///」
小さな命の息吹に感動して泣きそうになりながら、翔くんの方を振り向いて見る
「……………翔くん、お鼻かむ?」
「……………ゔん////」(←涙と鼻水を大量放出中(笑))
僕は、戸田さんが無言で差し出してくれたティッシュの箱から数枚ティッシュを取り出して
翔くんの涙と鼻水を拭ってあげた