第37章 嵐の到来、の巻
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「…赤ちゃん、ちゃんと育ってるかな///」
お腹に片手を乗せて、呟く
その僕の手に、翔くんの暖かい手が重なる
「大丈夫だよ、絶対」
「…うん///」
翔くんの優しい声と柔らかな微笑みが、胸を締め付ける不安を和らげてくれる
(…やっぱり、翔くんが居ると安心する///)
─コンコン
「失礼します
高島先生がいらっしゃいました」
「やあ、どうですかな調子の方は。」
心の中で、翔くんの存在の大きさを再確認していたら
戸田さんがドアをノックして、高島先生を伴って部屋に入って来た
「はい、調子は悪くないです///」
「それは良かった」
先生はニコニコしながらそう言うと、戸田さんから手渡されたカルテに眼を通した
「…うん、特に変わりは無いですな
食欲はどうです?相変わらず食べられませんか?」
「はい…食べると気持ちが悪くなっちゃって…///」
「そうですか、まあ悪阻は赤ちゃんが育っている証拠だなんて言いますしな
どれ、では診てみましょうかな」
相変わらずニコニコ笑う高島先生の後ろで、戸田さんが機械の準備をする
僕はテキパキと準備を進める戸田さんを見ながら、最初に感じた怖さを最近は感じなくなった事を思っていた