• テキストサイズ

Stay Gold〜翔と智のラブラブ新婚日記

第37章 嵐の到来、の巻


.








(……明日、また帰っちゃうのかぁ……)



僕は怠い身体をベッドの上に起こして、窓の外を見た



僕のお腹の中に、奇跡の種が芽生えようとしている事が判明した嵐の夜から

二週間が経とうとしていた



部長さんに直談判して一週間のお休みを貰った翔くんは、先週一週間を僕と一緒に過ごしてくれた後、一旦自宅に戻り

また、週末の休みを利用して別荘に来てくれていた



翔くんが仕事で来れなかった平日の数日間は、ニノが泊まりで来てくれていて

僕は辛うじて寂しい思いをせずに過ごせていたのだけれど



でも

泊まりで来てくれていたニノには、本当に申し訳ないけど

やっぱり、翔くんが傍に居てくれるのが、一番安心できた


だから、明日また仕事の為に翔くんがお家に帰ってしまうのが、僕は寂しくて仕方がなかった



「……僕もお家に帰ったら、ダメなのかなぁ……」


「智くんただいまぁ!どお、具合は?」



窓の外を見ながらぼんやりしていたら、翔くんがリビングに入って来た


僕は、朝のお散歩(笑)へ出掛けていた翔くんを、ゆっくりと振り向いて見た



「うん、平気だよ」

「そっか、良かった

もうちょっと落ち着いたら一緒にお散歩しようね智くん

随分草木が紅葉してて、すんごくキレイだよ!」

「そうなんだ……じゃあ、今日の検診の時に訊いてみようかなぁ、お散歩に行っても良いかどうか」

「もう着く頃だよね?

二回目だっけか、高島先生が検診に来てくれんの」

「うん……」



(…なんか、ちょっと怖いな…)



翔くんの言った通り、高島先生の検診を受けるのは二回目で

前回、ニノが借りた最新機器(笑)を使っての検診の時には、赤ちゃんの心音が確認出来なくて

僕はまだ、本当の意味で『妊娠している』と言う状態には至っていなかったのだ



しかも


あまり長い間心音が聴こえない場合は、赤ちゃんが赤ちゃんになる前に流産してしまっている可能性が高く

今回の検診で心音が聴けなかった場合、最悪流産したとみなして

赤ちゃんの残骸を取り除く手術を受けなければならないかも知れなかったのだ



「………」



僕は、ベッドの脇に置かれた椅子に座って僕の手を握る翔くんの手を、キュッと握り返して

小さく深呼吸した



.
/ 1714ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp