第37章 嵐の到来、の巻
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部長との(漫才まがいの(笑))有給交渉の結果
土日を含めて一週間しか連休が取れないと言い渡されてしまい、最初はゴネまくっていた俺だったが
あまり交渉が長引いては別荘へ行くのが遅くなってしまい、智くんに寂しい想いをさせてしまう
そんな事では本末転倒だ、と思い直し
泣く泣く五日の有給で手を打った
それから俺は着替えやらなんやらを取りに一旦お家に戻ってから
愛しい愛しい智くんが待つニノの別荘へ行く為に、相葉くん宅にミニクーパーを借りにダッシュで向かった(←経費削減?(笑))
「え?
ニノはまだ別荘に居るのか?
看護士さんはまだ来てないの??」
突然車を貸してくれと押し掛けた(笑)俺に、車を貸す事を快諾してくれた相葉くんから、ニノがまだ別荘に居る事を聞いて
てっきりニノは、看護士さんと入れ違いでとっくに戻っているだろうと思っていた俺は
車の鍵を受け取りながら目を丸めた
「看護士さんはもう来てるみたいなんだけどね
なんだかおーのくんが珍しく人見知りしちゃったらしくてね
ニノに櫻井くんが来るまで居てほしいって言ったんだってさ」
「へえ…そうなんだ」
「うん、ニノが頻りに、あんなに人見知りするおーのくんは珍しいって言ってたよ(笑)」
「へえ…」
(でも、俺が行くまでニノが居てくれて良かったよな
やっぱり心細いもんね…普通じゃない状態で他人と二人切りなんてさ)
智くんは、とってもデリケートでナイーブだし
きっと知らない人相手に気を遣ってしまったりするから
ずっと二人切りでは疲れてしまうのに違いない
ニノは、智くんが人見知りするのを不思議がってたみたいだけど
俺には何だか智くんの気持ちが解る気がした
「んじゃ車借りてくね相葉くん!
早く行って安心させてあげなくちゃ!」
「うん、いってらっしゃい
気をつけてね」
俺は笑顔の相葉くんに見送られて
安全運転を心掛けながらも、精一杯急いで車を走らせた
そうして車を走らせること数時間
幸い、道はさほど混んでいなかった事もあり
俺は思いの外早く別荘へ到着出来た
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