第37章 嵐の到来、の巻
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それから、数時間が経ってお昼を少し過ぎた頃に、高島先生が別荘に来てくれた
その先生に
ニノが僕らを代弁して、ことの経緯を話し
ここで僕をこのまま見守る事を告げた
先生は初め、もの凄く難しい顔をしていたんだけど
ニノの話しを聞き終わると、ギュッと眼を閉じて
それから暫くして眼を開けると、フッと微笑んだ
「……全く、二宮家のお坊ちゃまには適いませんな(苦笑)」
「あんたに迷惑は掛けないよ
ただ
このことは絶対に内密にして欲しいんだ
それと
先生の知識とお力もお借りしたい
…お願い出来ますね?」
まるで否定できない様な口調でそうお願いをするニノを見て、また微笑すると
高島先生がちょっとおどけて肩を竦めた
「二宮さんのお願いを断れる訳などないではありませんか
私も、二宮財閥を敵に回す様な事をする程、バカではありませんからな(笑)」
「ありがとう、先生」
満足げににんまり笑うニノ
と
先生がそのニノから視線を外して、未だ僕と一緒にベッドに入っている(笑)翔くんの方を見た
「ただ…本当に、良いのですかな?
旦那様はそれで。」
「………」
翔くんは、すぐには先生の問いには答えずに、真顔で黙ったまま僕の方を見ると
ニコッと笑って
僕の眼を見詰めて言った
「一度は、逃げ出そうとしちゃいましたけど
でももう、覚悟を決めました
僕は、僕らの奇跡を最後まで見守るんだって
その為に、智くんを死ぬ気で支えようって」
「……翔くん///」
「……そうですか、では、もう何も言いますまい」
高島先生は、翔くんの超カッコイい宣言(←笑)を聞くと、深く頷いて見せて
では、何かありましたらご連絡下さいと言って帰ろうとした
そしたら
何を思ったのか、ニノがソレを呼び止めた
「あ、先生ちょっと待って下さい
先生んとこの病院から、お借りしたい機材が色々ありまして…
…あと、口の堅い産婦人科の看護士さんを1人お借り出来ませんかねぇ?
出来れば、暫くの間泊まり込みで常駐出来る人が良いんすけど♡」
「……解りました、何とか手配致しましょう(苦笑)」
先生はちょっと呆れた様に笑ってニノの無茶なお願いをきくと
病院へ戻ったら連絡しますと約束して、帰って行った
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