第37章 嵐の到来、の巻
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「ニノ…ニノっ!!////」
僕はニノの名前を呼びながら立ち上がって、その胸に抱き付いた
そんな僕を、ニノが優しく抱き止めてくれる
「本当に……どうしたの?」
「……んな、が……」
「ん?」
「…みんな、が……僕の、赤ちゃん、を、……殺そうとするの///」
「は?どう言う事です?」
「……」
僕はニノに抱き付いたまま顔を上げた
「大野くん?」
「……ニノは、言わない?」
「何をです?」
「赤ちゃん……諦めろって……言わない?」
「……」
ニノは、溢れ出した僕の涙を拭いながらちょっと考えてから言った
「…あんたは、諦めたくないの?」
「うん」
「…どうしても?」
「うん」
「なら、言いません
何があっても、何が何でも、アナタのしたいようにさせてあげます
だから、何があったんだか訳を話して下さい」
「…ありがとうニノ…あのね?」
涙ぐむ僕ににっこり微笑みながらそう答えるニノの胸に、再び顔を埋めて
僕は、ニノが病院から帰った後の話しを全部話した
「……やっぱり、ニノも…諦めろって、言う…?」
「…………」
僕の話を終始難しい顔をして聞いていたニノにそう訊ねると
ニノはソレには答えずに、僕を抱き締めたまま徐に電話を掛け始めた
「……あ、景山?俺だけど
至急俺の別荘にうちのお抱えの医者と看護士を呼んでおいて
…うん、今から別荘に向かうから、◯◯大学病院前のミニス◯ップに車回してよ、大至急ね
あと、高島教授にも別荘に来てもらう様に手配して、出来るだけ早くに来てくれって
…うんそう、◯◯大学病院の高島教授
大野くんがソコにいるって言ったら来てくれると思うから
じゃ、頼んだぞ」
「……ニノ」
「一つだけ約束して下さい」
ニノは、携帯電話を仕舞いながら、じっと僕の眼を見つめて言った
「お腹の子を始末しなきゃアンタの命に関わる緊急事態に陥った場合には、子供を諦めるって
そしたら俺が、大野くんの望み通りにしてあげます」
「…ニノ…」
「約束、出来ますか?」
「………うん、約束、する///」
「よろしい(笑)」
ニノはそう言ってまたにっこり微笑むと
僕の頭をわしゃっと撫でた
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