第37章 嵐の到来、の巻
「……智くん、愛してるよ
赤ちゃん、頑張って産もうね?
そんで、二人で頑張って……一緒に、育てて行こうね?」
「…………うん////」
「……智……」
「僕、頑張って赤ちゃん産む
そんで、翔くんと一生に育てる
そんで、赤ちゃんと翔くんと三人で生きてくの
三人で……家族で……生きてくの////」
「………うん、そうだね智くん……そうしよう」
「………う、ん…///」
……こんな事をしても
翔くんに、こんな哀しい嘘をつかせても
何にも…どうにもらならいんだって事は解っている
だけど
自分に起きた奇跡を諦めなくてはならない現実を、どうしても受け止めることが出来なくて…
僕は、優しい嘘を付く翔くんの胸に力いっぱい抱き付いて
窓を激しく打ち付ける雨音を聞きながら
何時までも、何時までも
泣いていた
それから
泣き止まない僕を抱いていた翔くんは、僕を抱いたままベットに戻って
そのまま僕を抱き締めて寝転んで……そして、いつの間にかに二人とも寝てしまった
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