第37章 嵐の到来、の巻
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そう言って叫ぶ翔くんの眼からも、涙が溢れ出していた
その必死な顔を見て、僕は言葉を失った
「…っ////」
「………ごめん、智くん………ほんとごめん………
……だけど、だけど………俺には君が必要なんだ………君が、居なくなったら………生きて、行けないから……
………ごめん………ごめ、ん、ね………/////」
「………」
泣きながら僕に詫びる翔くんを見て、胸がズキズキと痛む
(解ってる……そんな事
僕だって同じ立場だったら、翔くんの命を取るに決まってる
……でも……)
僕は、自分の腕を掴んだ翔くんの手にもう片方の手を添えて言った
「…嘘でも良いから……産んで良いよって、言って」
「………え?」
「…嘘で良いから……赤ちゃんを、産んで良いよって………
……そんで、二人で頑張って育てて行こうねって………
……………言って」
「…………智、くん…………」
「……お願い……じゃないと僕……悲しくて、どうにかなっちゃいそうだから……」
「…………」
翔くんは、泣きながら嘘を付いてくれと懇願する僕を、しばらくの間じっと見詰めていた
それから、ベットを降りると
ぎゅっと僕を抱き締めた