第36章 奇跡の予兆、の巻
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(ちくしょー、我ながら情けないぜ(泣))
「翔くん大丈夫?////」
しこたま打った鼻を押さえながら、ふらふらと起き上がると
そんな俺を見て、智くんが慌ててティッシュを手に取りベッドから降りて、左鼻から垂れている鼻血を拭いてくれた
「だ、だいぞーぶだよ///」
(※訳:大丈夫だよ)
「でも痛かったでしょう?///」
「おでばだいぞーぶだがだ、ざどじぐんででだ///」
(※訳:俺は大丈夫だから智くん寝てな)
「でも、まだ鼻血が…///」(←訳なしでも解っている嫁(笑))
「もしかしてベッドから落ちたのですか?」
智くんに鼻血を拭かれる俺を見て、智くんの主治医らしい先生が首を傾げる
俺は結局最後まで智くんに鼻血を拭いてもらって
こよりにしたティッシュを鼻に突っ込まれながら答えた
「え、ええ……お恥ずかしながら(汗)」(←右鼻は塞がれていないので普通に喋れるらしい)
「大丈夫ですかな?打ったのは鼻だけですか?」
「大丈夫です。僕は丈夫なのだけが取り柄なんで(汗)」
「だけじゃないじゃなぃ///」
丈夫だけが取り柄だと俺が言うのを聞いて、智くんが俺の隣で床にぺたんと座ったまま
可愛くぶんぶん首を振った
「翔くんは優しいし、頭が良いし、カッコいいし、筋肉もりもりだし…」(←力が強いとは言わないのね(笑))
「さ、智くん///」
「はっはっはっは。
いや、これはこれは……お二人は仲がよろしいのですな(笑)」
主治医の先生はそう言ってからからと笑うと言った
「さて
ちょっと今現在解っている大野さんの状態についてお話しをしたいのですが
少し長くなるかと思いますので、大野さんはベッドに横になっておられた方が良いでしょう
ええと……ご主人様のお名前を伺っておりませんでしたな?」
「あ、僕は櫻井と申します」
「櫻井さんですか
私は大野さんの主治医で、高島と申します
どうぞ、そちらの椅子にお掛け下さい」
高島と名乗った主治医の先生はそう言ってにっこり笑うと
俺に椅子を勧めた
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