第36章 奇跡の予兆、の巻
.
(ん?
…………ちょっと待てよ??)
俺は、智くんの主治医が言ったと言う回りくどい話の内容を聞いて首を傾げた
「赤ちゃんになる、可能性が、ある…??
ってコトは、智くんは正式にはハッキリそれと解っても妊娠してるコトにはならないんじゃないの???」
「………………わかんない/////」
智くんはそう言うと、不安げに俺の胸に顔を埋めた
「……智くん///」
「…………………こわいの////」
「……え?」
「…………僕、こわい………このまま、本当に………
………本当に、僕のお腹の中に赤ちゃんが出来ちゃったら………
………僕が、僕じゃなくなっちゃう気がして………
…………………こわいよ/////」
「………智」
俺は、繰り返し“怖い”と言って小さく震えている愛しい妻を
そっと抱き締めた
「大丈夫だよ、智くん
例えどんな事があったとしても、君は君だ
俺の、一番大事で大切な愛しい人であることに、何の変わりも無いんだから
だから、心配しないで?
俺が、傍に居るから
……ずっと、傍に居るから……」
「…………しょおくん////」
「…………智」
……と
もう少しで二人の唇が重なりそうになった所で
病室のドアがノックされた
─コンコン
「宜しいですかな?」
「Σはいぃいッ!!!!」
─ズルッベチッ
「Σぶふっ!!(汗)」(←ベッドから落ちて床に顔を強打する撫でぃ)
「Σきゃあっ!!
翔くん大丈夫っ!!?(汗)」
─ガチャ
「…………おや、ご主人様は、まだお目覚めではありませんでしたか?」(←ベッドの脇でうつ伏せに倒れている撫で旦那を見て目を丸くする主治医の先生)
「い、いえ………今、一回目が覚めてたんですが//////」(←なんか恥ずかしい(笑))
「…………ざ………ざざ、ざべでお゙りばず。(泣)」(←てか、今度は気は失って無かったみたいです(笑))
俺は、情けない体勢から何とか起き上がると
恐らくは鼻血が垂れてしまっているであろう鼻を押さえて顔を上げた
.