第36章 奇跡の予兆、の巻
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落ち着けと言われているのに、早速焦りまくる俺
そんな俺に、ニノが大きなため息を付きながら言った
『……今、一番ショックを受けてるのは大野くんなんです
だから、櫻井さんにはしっかりして頂かないとなんないんです
今、大野くんが一番傍に居て欲しいのは、貴方のハズだから…
…だから、取り乱さないで、冷静になって来てもらわなければ、困るんです』
「Σしょしょっ…ショックを受けてるって……智くんに一体何がッ!!?」(←泣きそう)
『良いですか、今から言うことは、まだ確定した事実では無いですからね?
目下詳しい検査を行ってる途中であって、あくまでもその可能性があるってだけなんですからね?
そこんとこ、ちゃんと頭に入れて下さいよ?』
「Σなっ、なっ、…………なにぃっ!!!?(泣)」
ニノのもったいぶりまくった口調を聞いて、よもや、智くんに不治の病の疑いでも浮上したのではと思い
今にも泣き叫びそうになるのを、何とか堪える(←気のせいじゃなかったら泣き叫んでましたが?)
それを解っているのか、ニノは繰り返し「確定では無いですから」と念を押すと
やっと本題を語り出した
『……今、俺の知り合いの教授が居る、◯◯大学病院に居るんですが
大野くんが、ここの所ずっと原因不明の体の不調を抱えてるって聞いたんで、そこで軽く検査をしたんです
そしたら、思いも寄らない事の可能性が浮上して……
……いいっすね、心して聞いて下さいよ?』
「う、うん……………わわわわきゃった(汗)」(←噛んだ)
『……………』
それから、一瞬、こいつ本当に大丈夫かよ的な間(笑)を開けてから
ニノが、智くんの身に起きた衝撃の出来事を告げた
『…………大野くん、妊娠してるかも知れません。』
「Σにッ……!!!!!??」
─ぱた。(←速攻で卒倒)
「Σわあっ!!櫻井くんどないしたッ!!?」
「……あ………ん、びりー……ばぼう。(かくっ。)」(←時間差で昇天)
「櫻井くんっ!?」
『……………はぁ。』
遠退いて行く意識の端っこに、握り締めた携帯電話から
『やっぱダメか、このヘタレめ。』
と言うニノの呆れかえった声が聞こえた
気がした。
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